農民ともに生きた
天領の大庄屋「中谷家」
てんりょうのおおしょうや「なかたにけ」




400年の歴史を持つ天領「中谷家」 
               
中谷家は天領(てんりょう=幕府が直接支配していた土地)である黒川村の庄屋であり、約400年の歴史があります。



お役人が通る上門(かみもん)  
                 
ここは幕府のお役人が出入りした門です。農民や、中谷家の人たちは通れませんでした。









農民が通る下門(しももん)
               
農民たちが出入りした門です。お役人が出入りした上門に比べると小さく質素に作られています。









左右に二つある玄関
               
向かって右手の玄関がお役人用。左の玄関は、中谷家の人々や使用人、地域の農民たちが使っていました。
 








太さが違う柱

梁(はり)の下の部分は、柱が上等なものに見えるよう(当時の柱は、カンナはかけられていません)、きれいにけずった板でおおってあります。柱をたたいてみると音が違うのでわかります。






玄関近くにある仏間

普通の家の仏間は、家の奥の方にあります。しかし、中谷家の仏間は主人と小作人(中谷家の田畑を請(う)け負って作っている人たち)がいつでもお参りできるよう、玄関の近くに作られています。






カレンダーの役割をした看板

「大」は陰暦(いんれき=月の満ち欠けを中心として作られたこよみ)で30日の月を、「小」は29日の月を表しています。小作人たちは家にこよみがないので、ここまで来てこの看板(カンバン)を見にきていました。






取り外しのできる渡りろうか

この渡りろうかは母屋(おもや)と蔵をつないでいるものです。くさびをはずすと、すぐに取り外すことができるようになっています。母屋が火事になった時、この渡りろうかを取り外し、火が伝わるのを防ぐためにこのような仕組みになっています。






石段に掘られた昇り龍(のぼりりゅう)と松竹梅(しょうちくばい)

蔵へ入るための石段に「昇り龍」と「松竹梅」が彫られています。中谷家がますます栄えるように、また蔵に入る人の心と身体を清めるという意味があるようです。






長く保存できる輪島塗(わじまぬり)の蔵

うるしには湿気を吸い取る成分があり、漆をぬることによって、蔵の中に入れたものを長く保存するこができます。とても神秘的(しんぴてき)な蔵です。