ななおのぎょぎょう 〜なだうらのおおしきあみ〜




七尾灘浦(ななおなだうら)地区の海岸線

七尾から富山県氷見へ向かう海岸線には、海に浮かぶ「ブイ」がきれいな模様(もよう)になって見える場所があります。
七尾の灘浦地区では昔から、大敷網とよばれる定置網漁(ていちあみりょう)がさかんに行われています。
この地区は、日本でも有数の定置網漁業地帯の一つに数えられています。






定置網漁(ていちあみりょう)

定置網漁は大敷網(おおしきあみ)を海中にしかけ、魚が入ってくるのを待つという漁法です。
海流や回遊する魚の習性を考えて、網をしかけます。
佐々波鰤網(さざなみぶりあみ)では、岸から2キロメートルから3キロメートルの範囲に、深さ50メートル、75メートル、100メートルの3種類の定置網をしかけています。





夜明け前の出港

朝4時30分、まだ夜明け前の暗い中、船は港を出て漁場に向かいます。
どうして、こんなに朝早くから漁をするのでしょうか。
漁場に着くと、何せきもの船で周りを囲み、網を少しずつ少しずつていねいに巻(ま)き上げていきます。






夏の漁のようす

ようやく網を巻き上げ終えて、いよいよ魚を船に引き上げます。
夏場は漁獲高(ぎょかくだか)が上がらない時期ですが、今回の漁では、かたくちいわしが大量にとれました。
冬にはぶりが大量にとれるそうです。
船底の水そうには、海水でつくった氷を入れてあります。






水あげして、すぐに選別(せんべつ)

漁を終え、船が港へ戻ってくると、すぐに魚の選別作業に入ります。
とれた魚を種類ごと、大きさごとに、箱に手ぎわよく、より分けます。
すばやい選別は、見事なものです。







富山県氷見市場へ

選別された魚はトラックに積まれ、加工工場や市場へ運ばれます。
富山県氷見の魚市場へも運ばれます。
市場でせりにかけられ、そこでせり落とされた魚は、さらに各地へと運ばれていきます。







きれいな港に!

魚の選別が終わると、使った機械や道具などはじっくりと時間をかけ、きれいに洗います。
1日に2度はこの作業を行っています。
また、施設(しせつ)内でのごみにもしっかり目をくばり、きれいな漁港を保てるように努力しています。







心が豊かになる港に!

港を囲む防波堤(ぼうはてい)には、たくさんの世界の名画が描(えが)かれています。
毎年夏になると、金沢美術工芸大学の学生がやって来て、作品を残していきます。
港で世界の名画の鑑賞(かんしょう)ができるなんて、すてきだとは思いませんか。
漁港の施設内には図書室も整備(せいび)されています。





ふれあいのある港に!

毎月の第3日曜日の早朝、佐々波漁港では、新鮮市場(しんせんいちば)が開かれます。
地域の人たちに喜んでもらおうと、とれたての新鮮な魚を安い値段で提供(ていきょう)しています。








新たな取り組み 〜お皿作り〜

新たな取り組みとして、現在、お皿作りに挑戦(ちょうせん)しています。
魚をとるだけでなく、みなさんの食卓(しょくたく)にまで、新鮮さ、おいしさを責任もって届けたい…。
そんな気持ちを込めて、一枚一枚のお皿を作っています。