つるぎのさけづくり




酒屋さんの前にある杉玉(すぎだま)の意味は?

古い大きな家の前にぶら下がっている、ボ−ルのようなものは、何だと思いますか。
ここは、昔から続いている酒屋さんで、このボ−ルのようなものは、新しい酒ができた時につるす杉の葉で作った、杉玉というものです。
ここ鶴来町(つるぎまち)では、古くから酒づくりが行われてきました。





米と水はどこから?

酒づくりには、米と水が必要です。
この酒屋さんでは、米は鳥越村(とりごえむら)の農家にたのんで、酒づくり用の米を特別につくってもらっています。
鳥越村は昼と夜の温度差が大きく、おいしい米がとれるそうです。
また、水はミネラルを多く含んだ地下水をくみ上げて使っています。






精米(せいまい)

酒づくりは、まず、米を選び、精白(せいはく)することから始まります。
米の外の部分は酒のかおりや味を落とすので、外の部分をけずり、みがき上げます。
普通は8時間ぐらいかかるのですが、高級なお酒をつくるには60時間もかけて精米します。






蒸米(むしまい)

米はきれいに洗い、水を十分すわせた後、細かく確かめながら蒸(む)しぐあいを確かめながら、蒸していきます。
蒸米は麹(こうじ)づくり、酒母(しゅぼ)づくり、もろみづくりと、次に続く3つの工程で使う量に分けられ、それぞれの工程に合う適当な温度に冷やされます。







麹(こうじ)づくり

蒸米に麹菌(こうじきん)をふりかけて、繁殖(はんしょく)させながら、真っ白な麹をつくります。
温度と湿度を調節しながら麹をつくっていきます。
麹につきっきりで、夜も連続で、丸2日間もかかる大変な作業ですが、麹の風味をよくする大切な仕事です。







酒母(しゅぼ)づくり

できた麹と蒸米に水を加えて、酵母(こうぼ)をたくさん増殖(ぞうしょく)させて、酒母(しゅぼ)をつくります。
酒母はこの後のもろみづくりに必要な物です。








もろみづくり

蒸米、水、麹、酒母をまぜる作業である仕込みを3回に分けて行います。
このように仕込みを3回に分けて行うのは、発酵(はっこう)の細かな調節をするためです。
その後、酒の種類によって20〜40日ぐらいかけて発酵させ、もろみをつくっていきます。






しぼり

どろどろしたもろみを袋(ふくろ)などにつめて、機械でしぼります。
昼と夜の丸1日かけてしぼり出し、透明(とうめい)な原酒(げんしゅ)の部分と、酒粕(さけかす)の部分に分けられます。









熟成(じゅくせい)

しぼった酒は、ろ過して、固まりを取りのぞいたり、殺菌(さっきん)したりした後、貯蔵(ちょぞう)し、熟成させます。
季節にあったお酒をつくる工夫もしています。