たつるはまたてぐ




木取り(きどり)、けずり

作る建具の寸法(すんぽう)に合わせ、木をちょうどよい大きさに切ることを、木取りといいます。
木取りをした後、木のそりや曲がりがないように、けずり作業をていねいに行い、部品となる一つ一つの木をまっすぐなものにします。







墨付け(すみつけ)

墨付けは、後で部品となる木をしっかりと組むためにも大切な作業です。
寸法や穴の位置をまちがえないように、ていねいに何度も測(はか)ります。
墨付けを終えると、「とくび」をかくなど、次の作業へと移っていきます。






穴彫り加工(あなほりかこう)、ほぞつけ

木を組み合わせるための穴彫り加工やほぞつけを行います。
木と木とがしっかりと組み合わせられるようにしんちょうに行います。
ほかにも、みぞつけや面取りなど、使う人のことを考えての作業があります。







組み立て

いよいよ組み立てです。
これまでの作業が、うまくいっていたかどうかが問われる瞬間(しゅんかん)です。
くぎのようなものはいっさい使わずに、木と木を互いに組んでいきます。







仕上げ

組子(くみこ)ができあがると、最後に紙をはり、中連障子(ちゅうれんしょうじ)の完成です。
あたたかな光を取り込むすてきな障子ができ上がりました。
しかし、これですべての作業が終わったわけではありません。
この障子が建物にうまく合うかどうかを確かめる作業が、最後に現場で行われます。





豪華(ごうか)さを出す塗(ぬ)り作業

建具に落ち着きをもたせ、豪華さを高めてくれるのが塗りです。
何段階もの作業を終え、最後に上塗り(うわぬり)が行われます。
塗料(とりょう)のカーテンをくぐると、光沢(こうたく)のある建具へと変身します。







いろいろな種類の建具

建具の種類は主なものに、障子(しょうじ)、ふすま、書院(しょいん)らんま、ガラス戸などがあります。
その中でもいろいろなデザインが工夫され、わたしたちの住まいにいろどりを加えてくれます。







建具の行き先

完成した建具は、わたしたちの住まいのほか、旅館などにも納(おさ)められます。
やわらかい光を取り込む障子戸、繊細(せんさい)な組子(くみこ)のふすまなどがある部屋は、わたしたちの心を落ち着かせてくれています。







歴史ある田鶴浜建具

田鶴浜建具の歴史は古く、慶安(けいあん)三年(1650年)に東嶺寺(とうれいじ)が建てられた時に始まります。
350年あまり、その伝統の技は受け継がれ、現在もたくさんの建具屋さんがあります。
田鶴浜は、建具の町ともいわれています。