ななおのビオトープ




田んぼの中のビオトープ

 ビオトープとは、ドイツ語で生物が生きていく空間のことです。
そこで休んだりエサをとったり、子どもを産んだりして生活するために最低限必要な空間のことです。
少しずついろいろな学校で作られはじめています。







ビオトープ全景

 ビオトープは、毎年、毎季節、ちがう顔を見せてくれます。
この七尾市立徳田小学校のビオトープは、平成11年に作られました。その後、生き物や植物の様子も少しずつ変化してきています。










水の取り入れ口とメダカ

 休耕田を利用したビオトープには、田んぼの横を流れる用水を引きこみ、それがまた出ていくようにして、ゆるやかな流れが作られています。
引きこみパイプから流れこむきれいな水に、数匹のメダカが見えかくれしています。








水の管理(かんり)

 用水を引きこむためのパイプがはずれていたので、つなぎ直しています。
ビオトープを守っていくために大切なことの一つです。









モノアラガイ

 まき貝の仲間は、水の底や水草の上などをはい回って、こけや小さな生き物の死がいなどを食べています。











メダカの群(む)れ

 メダカは、あさい池や沼、小川、田んぼなどに群(む)れをつくってすんでいました。
水辺の生き物でいちばん身近なメダカが、いまや都市開発にともなって絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)となっています。
このビオトープでは、人工的に作り出されたヒメダカとはちがい、ニホンメダカが群れをなして泳いでいます。







メダカ(一匹)

 メダカのおすとめすは、体の大きさとせびれの形やしりびれの形で見分けます。
メダカは、水中のミジンコやゾウリムシなどをエサにしているので、このビオトープのメダカには誰もエサをやることはありません。
食べる、食べられるという食物連鎖(しょくもつれんさ)があるからです。








アメンボ

 水の上で忍者(にんじゃ)のようにすばやい動きができるアメンボ。
そのひみつは、足の先にある水をはじく毛にあり、水の表面張力(ひょうめんちょうりょく)で浮(う)くことができます。
だから、タイコウチやミズカマキリとちがって、じかに空気をすうことができます。








夏の水枯(みずが)れ

 夏、日でりが続くと、横を流れる用水の水もついになくなってしまいました。
泥(どろ)の下や残っている水の中に生き物たちが息をひそめています。
ビオトープを見守る子どもたちは、水を入れてあげるべきか悩(なや)みます。







夏の水枯れとメダカの群れ

 夏、水が枯れてきたビオトープ。
それでもメダカたちは、たまった水と草の間で元気に泳ぎ回っています。
大きな親メダカも、生まれて間もない子メダカも、いっしょになって群れをつくっています。








カエル

 メダカが元気に泳ぎ回るビオトープには、それらをエサとするカエルもいます。
オタマジャクシの時には、植物プランクトンや落ち葉などの植物性のエサをどんどん食べますが、成長すると昆虫やミミズなどの動物性のエサばかり食べる不思議(ふしぎ)な生き物です。








ビオトープの中のザリガニ

 水の中に見えかくれするのは、小さなザリガニです。
カニの名前がついているけど、本当はエビの仲間です。
大きくなるためには、これから何回も脱皮(だっぴ)をくり返し、タニシやヤゴ、メダカなどをエサとして生きていきます。









ザリガニ捕獲(ほかく)

 ビオトープの中から捕(つか)まえ出されたザリガニたち。
生物同士が関係し合うビオトープだからこそ、ある特定の種類だけがビオトープを占(し)めてしまわないように、人の手を加えることも考えていかなければなりません。









シオカラトンボ

 ビオトープにはトンボもやってきます。
動かずじっと待っていると、シオカラトンボの頭や羽、足のようすも観察できます。











イトトンボ

 トンボの仲間には、羽を閉(と)じてとまる仲間と、羽を開いてとまる仲間があります。
羽を閉じる仲間の代表がイトトンボです。
このイトトンボは背中やしっぽの先に青いすじがあり、体が細くて小さなかわいらしいトンボです。