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「能登発世界へ〜石川の産業の魅力を語る〜」講演会

12月9日(金)、総合学科全学年118名を対象に「世界でブランド化する日本の技術」を演題とする講演会を開催しました。この講演会はジョブカフェ石川との共催事業で、県内企業経営者の仕事に対する情熱や人間性に触れることで、仕事や県内企業への就職意欲を向上させようとするものです。

 今回の講師は天池源受氏(天池合繊株式会社代表取締役)でした。講演会前日にヨーロッパ出張から帰国したばかりの天池社長は、冒頭「能登からの所要時間は東京もパリも同じです。その日のうちに目的地に到着できます。」と語りかけ、世界一を作る喜びとその製品が世界で使用される醍醐味について話してくれました。この会社の世界一は、「軽い」そして「薄い」糸で織った衣料織物「天女の羽衣」です。サンプルを生徒一人一人に触らせてくださいましたが、「百聞は一見に如かず」。実際に触れてみるとその柔らかな肌触りにびっくりしました。絹の1/4の軽さ 、毛髪の1/6の細さという説明にうなずくばかりです。
 商標登録されたブランド名「天女の羽衣」は、顧客から生地の肌触りが「まるで天女の羽衣のよう」と評されたことに由来しています。美しいドレスやファッションショーを映したスライドを見ながら、アルマーニ(イタリアの有名ファッションブランド)の受注後、ヨーロッパを中心に多くの注文をうけるようになったこと、イブ・サン=ローランの専用機に素材を積んでパリまで運んだこと、県内では加賀友禅とのコラボなどで売り上げを伸ばしていること等を教えてくれました。

 産業構造の変化に伴って、日本の大手繊維会社が相ついで倒産する中、地場中小企業の業績が好調である理由について、「日本の資源は技術力であり、頭脳と勤勉さがその技術力を向上させます。社員みんなで力を合わせて、目の前のハードルを必ず乗り超えるという強い気持ちで努力し続けることが大切です。」と力説され、「若い生徒の皆さんは、世の中の様々な困難に果敢に挑んでほしい。」と締めくくってくださいました。

 






 
     
 

 終了後、「これ以上細い糸を作れますか?」「1枚のスカーフを作るのに何日かかりますか?」といった質問が生徒や先生方から多く出され、丁寧に答えてもらいました。
 最後に生徒を代表して3年生の比古咲君が謝辞を述べ、中野さんが花束を贈呈して拍手で天池社長の退出をお見送りしました。











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