図書委員会だより | |||
平成24年度 後期 校内読書会 | |||
☆テキスト 『レキシントンの幽霊』より「七番目の男」 村上春樹 著 ☆日時 2013年1月11日(金) 放課後 ☆参加人数 26人 ☆場所 図書館 閲覧室 本校図書館において、後期の読書会が行われました。 |
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先生を交えた6〜7人程度のグループに分かれ、各グループの司会者(図書委員)が中心となり、50分程度の議論を交わしました。その後、議論の内容をグ
ループの代表者が発表しました。 《あらすじ》主人公は、少年の頃に親友と海を見に行くが、突然の大波に親友をさらわれてしまう。迫り来る大波から親友を助けることができたかもしれないの に、彼は恐怖にかられて自分だけ逃げてしまった。以降、彼は波の恐怖と自責の念にさいなまれながら生きていくことを強いられる。 この話の最後にこんな一文があります。 「私は考えるのですが、この私たちの人生で真実怖いのは、恐怖そのものではありません」、男は少しあとでそう言った。「恐怖はたしかにそこにありま す。……それは様々なかたちをとって現れ、ときとして私たちの存在を圧倒します。しかしなによりも怖いのは、その恐怖に背中を向け、目を閉じてしまうこと です。そうすることによって、私たちは自分の中にあるいちばん重要なものを、何かに譲り渡してしまうことになります。私の場合には……それは波でした」 世の中にはいろいろな類の恐怖があります。各班の議論はさまざまでしたが、自分の経験と重ね、恐怖心と向き合うことや、 表現の解釈、価値観や意見の違いに触れました。短い文章でしたが、深い読みができたようです。 「七番目の男」は、細かいポイントでの疑問点が多いので、テーマをはっきりとさせて、意見交換会の体で 進めればいいという意見もでました。とても難しい話ですが、深い読みができる作品なので、手にしてみてください。 感想では、「本を深読みすることは、いい経験になった。参加してみてよかったと思う。」「国語の時間にはできないような深い意見の交換ができて良い機会 だった。」などがありました。みなさんも、読書会を機に、自分とは違った見方を得てみませんか。 |