”中学校校舎を生徒たちの基地に”という発想から夢や希望を育む中高一貫教育校としての環境づくりをするのがこの「金沢錦丘中学校キャリアプラン・プロジェクト」。具体的には、以下の2つのことよりプロジェクトの達成へと迫っていく。
  1. 専門家による講演会及び演奏会を実施し,本物に触れ,生徒一人一人が自己の個性や生き方について考える。
  2. 植物や絵画を配置し、潤いのある学びの場を作るとともに、高等学校への連結を意識し、夢や希望を抱くことができる学習環境を自らがデザインし,創造していく。 
 
 2日間に渡り開催された「紫錦祭」の締めくくりは「世界遺産への挑戦」と題した石川県金沢城調査研究所副所長、木越隆三氏の講演を聴きました。本物に触れることなどを目的とした金沢錦丘中学校キャリアプラン・プロジェクトの一環として開催される第1回目の講演会です金沢城の総合調査から見えてきたこと、ふるさとの歴史や文化財に目を向け、私たちが誇りを持つことが世界遺産を目指している意味であると興味深く教えていただきました。
 
 石川県教育センターの安田淳先生を講師にお迎えし、「まだ見ぬ自分をつくるために」と題したお話をしていただきました。 安田先生は、音楽に熱中していた学生時代、美術科教師を目指したきっかけ、教師をしていての充実感、達成感などを教師としての眼から、画家としての眼から、子どもの目線で興味深くお話をしていただきました。1年生にとって「自分探し」をスタートさせる素敵な”きっかけ”を与えていただきました。
 金沢錦丘中学校では「私の歩み展」と題して安田先生の中学生時代から描かれた絵画を先生の年代別に展示しています。さらに、この日は先生自らの作品解説もありました。
 
 金沢錦丘中学校キャリアプランプロジェクトの一環として、写真家の松本紀生氏を本校にお迎えして「アラスカフォトライブ」が開催されました。松本氏が感動した瞬間の集大成である写真の数々、ビデオが軽快な語りと音楽とともにスクリーンに映し出され、オーロラのような幻想的な空間が現れました。オーロラだけでなく、歩くと宙に浮いているかのように感じたコケで覆われた原生林、アスファルトのように雪を固めてしまう地吹雪、満月の明かりを雪が反射し、それだけで文庫本が読めることなど、これまで知らなかった世界を見せていただきました。松本氏は「アラスカでの生活で耐えるという感覚はない。好きだからこそできる幸せを感じる。目標に向かって進んでいく充実感がパワーになる。」と、お話されました。自然と人間の共存、地球規模での環境を考えることだけでなく、生き方についても教えていただきました。
 
 専門家による講演を通して,生徒一人一人が自己の個性や生き方について考え,生徒自らが将来の夢や希望を抱くこき,創造していくという目的で今年度スタートした「金沢錦丘中学校キャリアプランプロジェクト」。今日はハープ奏者の上田智子さん、フルート奏者の中村俊子さんを本校にお招きし、演奏会が催されました。
 ピアノ教師であった母の勧めでハープに出会い、県外の先生の元へ通っていたこともある上田さん、中学校の吹奏楽部で担当した楽器がフルートで、今もなお吹き続けて生涯の仕事としている中村さん、演奏はもちろん、今日に至るまでの経緯をお話してくださいました。また、さまざまな大きさのハープ、リコーダーを用意していただき楽器についての理解も深まりました。 最後は音楽科の夷藤先生のリクエストででハープとフルートの演奏に合わせて「ふるさと」を合唱しました。
 お二人が奏でるメロディーと華やかな衣装に癒される優しいひとときを過ごすことができました。
 
 本物を知る、生き方を知ることをねらいとした金沢錦丘中学校キャリアプランプロジェクトもいよいよ最終回。講演会も5回を数えました。
 今日は「ホトトギス」同人、北国子ども俳壇選者である小竹由岐子氏を講師にお迎えし「俳句の楽しみ」と題したお話を聞かせていただきました。先生には俳句そのもののこと、歴史のこと、先生が俳句を作るきっかけとなった正岡子規のことなどを優しく教えていただきました。言葉に対する感性が研ぎ澄まされ、豊かになった時間を過ごせました。また、先生からは、詠んだ俳句に自分が見たこと、感じたこと、求めて勉強したこと、本で読んだことなど生き様をのせている。生き方を見つめている。生涯にわたって学び続けることの大切さを教えていただきました。
 後半は、この日のために生徒全員が俳句をつくり、小竹先生に見ていただきました。佳作と特選の作品が発表され、特選の作品は先生自らの選評をいただきました。3年生の特選作品をいくつか紹介します。

  「北風が さらっていくよ お日様を」 「おぼろ月 果てしない宇宙(そら)を 照らしてる」
  「グランドの 生徒追い越す 春一番」
 
 中学校棟から高等学校と共有している特別教室棟への渡り廊下を、生徒が夢や生き方を考えて中学校から高等学校へのスムーズな接続を図るシンボルとして2階廊下を「ふるさとの道」、4階廊下を「科学の道」、5階廊下を「文学の道」、さらに、中学校棟のグローリーホールを「芸術の広場」と名づけました。
 「ふるさとの道」には日本、中部地方、石川県の立体地図、世界環境地図が、「科学の道」には、偉大な科学者の肖像画、ナノチューブや2重らせん構造のDNAモデル、木製のパズルが置かれいます。「文学の道」には国語科の先生方が実際に近代文学館などを訪れ集めた資料を元に作られた”石川の三文豪”のパネルと、さまざまな英語表現が学べる美しいポスターが掛けられています。生徒はこれらの渡り廊下を通る度に立ち止まったり、触れたり興味を持っているようです。最初は教師側で展示物を企画しましたが、これからは生徒の手で企画し、自分のキャリアを創造していく場になります。
 
 2008年8月29日、紫錦祭2日目午後からは中学校独自の活動を行いました。まず、「金沢錦丘中学校キャリアプランプロジェクト」の1つとして中学生の基地を作ろうという発想で中学校棟の吹き抜け「オアシス広場」のリフォームプランを選択美術科を受講した3年生がプレゼンテーションしました。自然や優しさをテーマに空間をデザインした3年生の創造力とコンピュータを使い堂々と発表する姿に感動しました。
オアシス広場
 
  「中学校棟を生徒の基地に」という発想から、ホッとできる場所、心を休める場所として、石川県教育センター指導主事である安田淳先生、圓地郁尚先生の絵画をしました。まるで中学校棟が美術館になったかのようです。
 特に安田先生には9月に「まだ見ぬ私をつくるために」と題して講演をしていただきました。絵画を通して、お話を通して、生徒に将来の生き方を示唆していただきました。
 
 絵画の展示に続いて、潤いのある場所、心を休める場所として多くの観葉植物を配置しました。中には生徒の身長ほどあるものもあります。さらに11月からは石川県立翠星高等学校の生徒が丹精こめて育てていただいたシクラメンも配置されました。コンクリートばかりの無機質な学校が明るくなり、生徒の笑顔も以前より増した気がします。