室生犀星

明治22年生まれ
詩集「愛の詩集」と「抒情小曲集」とによって認められた。
小説では「幼年時代」「性に目覚める頃」戦後の「杏っ子」などを発表し活躍した。

室生犀星と医王山

「十九の時に山登りした最初で最後の山である。ゆめに通うというとかさだかだが、それほど好きな山である。」(「奥医王」解説)という医王山は犀星の多くの著作の舞台となっています。
大正八年八月には「短歌雑誌」に「ある山の話」を発表しており、その登山行程には犀星の体験がそのまま記されています。大正十一年の童話「不思議な国の話」(「金の鳥」)では大池にまつわる伝説を紹介していますしさらに四年後「医王山之説」でもやはり大池伝説に触れています。
また小説では主人公の「私」が医王に登ることにより「別に生きることを考えなければならない」と決断する「医王山」、3人の男女が冬の医王の山小屋で過ごす「奥医王」、秋の医王山で一人の女性の変容を描く「山も人も黙す」などの著名な作品の舞台となっています。詩文に関しては明確に医王を名指ししたものは見あたりませんが「山にゆきて」(抒情小曲集)はかつて登った医王を思って書かれたものではないのでしょうか。

雨宝院 神明宮
東京 田端で犀星の家を探して見ました。
犀星バス
犀星の詩碑(犀川)
犀川