「くわい」の話(つづき)

しゅうとめは、嫁のために一生懸命食べ物を探しました。

しかし、いくら探しても食べ物は見つかりません。

しゅうとめは、すごく疲れたので休むことにしました。

休んでいると、いつのまにか夜になっており目の前には嫁がいました。

びっくりしたしゅうとめは、なぜここにいるかを聞きました。

すると嫁は言いました。「おかあさんありがとう。こんなにたべものをみつけてくれて」

しゅうとめはびっくりしました。

「なにをいってるんだい。ここにあるのはいしころばかりだよ」

こんどは嫁がびっくりしました。

「おかあさん、これいしころじゃないよ。くわいだよ。」

たしかにしゅうとめが石ころだと思っていた物は「くわい」でした。こうして。嫁と姑は「くわい」をあつめておおよろこびで山を下りていきました。

これからくわいのことを、やさしいおかあさん「慈姑」と書くようになったということです。



雅 作