図書委員会だより
平成23年度 前期 校内読書会
テキスト 『死者の奢り』 大江健三郎著
日時 2011年5月20日(金)15:30〜17:00
参加人数 32人
(1年9人・2年10人・3年13人)+先生方6人(教育実習生含む)
場所 図書館閲覧室
本校図書館において、前期の読書会が行われました。
先生を交えた5〜6人程度のグループに分かれ、各グループの司会者(図書委員)を中心となり、予め図書委員が準備をした議題を元に、50分程度の議論を交わしました。その後、議論の内容を、グループの代表者が発表しました。
今回のテキストは『死者の奢り』です。解体用の死体を運搬するアルバイトに参加した主人公の「僕」が、同じくアルバイターの女子学生、勤続年数三十年とうそぶく管理人とともに、溶液に浮かぶ屍体の群れと格闘し、「死」というものに向き合う、という作品でした。
中心テーマとなっているのは「死んだあとの人間は、〈もの〉と同じなのか」ということでしたが、主人公の「僕」の考えに同意する人あり、全く違う観点からの意見を言う人あり、と一つのグループ内でも様々な意見が飛び交っていました。非日常的な暗い内容ながらも、参加者がそれぞれのシーンにおいて印象に残ったことをしっかりと発言でできていたので、有意義な時間になったのではないかと思います。また、各グループの代表者の発表に真摯に耳を傾けている姿がとても印象的でした。
ランダムにグループ分けをしているので、大半が初めて会話する先輩や後輩の中で自分の意見を述べることになります。緊張した、進行が難しかった、自分の意見をまとめるのが難しかったという感想もありましたが、周りの人の意見が興味深かった、自分が読まないジャンルの本に触れられる良い機会だった、などのプラスの感想もたくさんあったので、日頃なかなか出来ない貴重な体験を共にし、参加者同士の交流が深まることも読書会の醍醐味だと感じました。
次回の読書会は 平成23年11月18日(金)放課後 を予定しています。