演劇コース3年生が熱演!!
The play performance of the third year students has ended.
第1回卒業公演「夏の夜の夢」(A Midsummer Night's Dream)

 演劇コースの第1回卒業公演「夏の夜の夢」が6月29日・30日の2日間(2ステージ)能登演劇堂で上演された。公演では、第一期生3年生全員(23名)が舞台に立ち、これまでの2年間で学んだ学習の成果を発表した。
 公演は、初日には立ち見が出るほどの盛況で、地元住民を始め、中学時代の恩師や同級生、家族やホストファミリー、そして中島高校の卒業生など多くの観客がおとずれ、2日間で、のべ1,200名が、はつらつとした若々しい演技を満喫した。 
 また、仲代達矢さんや中島町からお祝いのメッセージや生花が届けられ、会場ロビーには計17本の生花スタンドが立ち並び、中島高校の初めての試みに各方面から高い関心と声援が寄せられた。
 そして今回の公演は、中島町の全面的なバックアップを受けて行われ、演劇堂の職員や中島町舞台技術アカデミーのメンバーがボランティアで裏方の仕事をサポートした。さらに、中島高校OBで東京でフリーの照明家として活躍する中屋昇さんも駆けつけ、金沢の演劇人や演劇コースの講師陣も夜遅くまで公演準備に汗を流した。
大工の親方ボトムが、まじないをかけられて夢を見ているシーン。幻想的に、コミカルに演じられました。In this comical scene, Bottom has been turned into a donkey by Oberon, King of the fairies. Titania, Queen of the fairies, has fallen in love with Bottom under Oberon's cruel spell.
観客を沸かせた劇中劇。The play within the play that brought great joy to the audience. 混乱も収まり貴族達の結婚式も間近になった。The confusion finally resolves just as the wedding ceremony of the nobles grows  near. オープニングは、和太鼓で始まった。The performance began with magnificient Taiko drumming.
衣装も着けて。さあ、本番!Soon the performance will begin! フィナーレ。観客は、大きな拍手で生徒たちの好演をたたえた。In the finale, the audience showed their deep gratitiude with tremendous  applause. 舞台が終わり、生徒たちはお互いの健闘をたたえ合った。 After finally completing their performance, the students rejoiced as well..
テレビ局のインタビューに答える生徒。Several news reporters came to cover the big event. 2日間で1200名の観客が、生徒のハツラツとした演技を満喫した。 In 2 days of performances, over 1,200 guests were able to appreciate the students' hard work. 終演後の記念撮影。 Alas, the play has ended, but the memories shall continue.

〈舞台を支えた大きな力
 公演では、3年生全員がキャストとして舞台に立つため、裏方の仕事をする人材がいない。そこで、強力な助っ人たちが集まった。
 衣装を担当した松本英美さんは、金沢在住。2役の生徒6人分を含めた計29人分の小物を含めた衣装すべてを一手に引き受け、採寸・仮縫いなど何度も中島町に足を運んで制作に取り組み、幻想的で華やかな舞台を演出した。
 また、調光室から厳しいまなざしを舞台に送った中屋昇さん。公演5日前には中島町入りして後輩たちのために夢の舞台にふさわしい照明を制作し、プロの技を披露した。 
 そして、演出を補助した東さんは、元中島高校演劇コースの講師。いくつもの舞台を手がける演劇人。金沢に住む東さんは、公演中は中島町に泊まり込んで生徒の演技指導にあたった。
 さらに、装置を担当した中島町舞台芸術アカデミーのメンバーは、全員が社会人であるため、公演前日までは、仕事を終えた夜や土・日曜日に能登演劇堂に集まって仕込み作業に汗を流した。

〈舞台を盛り上げたサポーターたち〉
 公演案内の発送作業は、2年生が担当した。 来年は、2年生が夢の舞台の主役となる。
 入場入口には、開場1時間前から長い行列ができ、開場と同時に観客は客席へ急いだ。30日には石川県教育次長の村井加代子先生も観劇に訪れた。
 演劇コースを支援する会は、露店を出して地元の特産物や野菜を販売。お祭り気分を盛り上げるのに一役買った。
 また、東京ディズニーランドで人気のチュロスを販売する店も出現した。このほか、能登演劇堂内の喫茶コーナーは飲み物をすべて100円で販売するサービスを行った。
 そして能登演劇堂振興協会は、中島町内の国道沿いに大看板を設置して広報活動を支援し、中島高校教育振興会は、能登中島駅前に横断幕を設置して卒業公演をPRした。

〈芝居がはねて!〉
 公演には、地域住民や友人・家族などのほかに、石川県の行政関係者や教育関係者、演劇人、報道など各階各層の人々がおとずれ、中島高校の演劇教育の成果に対して高い関心が集まった。
 終演後、会場から出てくる観客の表情には満足感があふれていた。出演した生徒と観客が抱き合って舞台の感激を喜び合う光景も見られた。

〈大きな反響!−終演後のアンケートより〉
    ・夢をありがとう。         10代女性
    ・高校生とは思えないすばらしい演技で感動しました。    40代女性
    ・全体にとてもすばらしく感動しましたが、少し早口なのと、前を見て話さないので聞き取りにくいところがありました。そこを直せばパーフェクト!  40代
    ・涙で感動しました。ありがとう。   70代男性
    ・プロになれそうな人も2、3人いました。    60代
    ・すばらしい舞台に感動しました。みんなのひたむきさ、演劇にかける情熱を感じました。    40代
    ・地域における存在感をこれほど感銘を受けた公演はない。   70代男性
    ・中島町の宝物がまた一つ増えたように思いました。      40代女性

 演劇は、一人の力で出来るものではありません。出演者とそれを支える裏方、そして観客など。その他、公演に関わるいろいろな人々の心が一つになったとき感動的な舞台が実現するものだと思います。この意味で、中島高校の初めての卒業公演は、地域も一体となって、公演に関わった一人一人が主役となった夢のような2日間となりました。