☆肥満の状態☆
 肥満とはただ単に太っている人のことをいうのではなく、体に蓄積した脂肪の割合、つまり体脂肪を基準として決められている。例えば、相撲の力士は誰が見ても太っている。しかし力士の場合、体に筋肉がついているため、体脂肪の平均値は約23%と意外に低いのである。私たち人間の体の成分は大体以下のようになる。

水分

60%〜

タンパク質

16%

脂肪

13%

無機質

4%

1%

 これらの成分のうち、脂肪以外の成分はあまり変化しないが、脂肪は大きく変化する。脂肪が増えることで体における脂肪の割合(体脂肪率)が高くなり、その結果体重も増加してしまう。標準の体脂肪はこのようになる。

体 脂 肪 率

正 常 範 囲

   

成人男性

15〜20%

25%以上

成人女性

20〜25%

30%以上

      

☆肥満の判定☆
 肥満かどうかを判断するために用いられるのがBMI(ボディ・マス・インデックス)という方法である。(成人の場合)

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMIの値(成人)

判 定

18.5未満

や せ

18.5以上25未満

正 常

22

標 準

25以上

肥 満

☆BMIの基準が22になる理由☆
    データ               BMI25を肥満の基準にしているのは日本だけで、世界の肥満の基準値はBMI30以上である。それはものすごく太っているわけでなくても、糖尿病、高血圧、高脂圧症、動脈硬化を引き起こしてしまうからだ。BMI25を超えた時点から病気の発症数が増えるため、日本の肥満の基準値を病気にかかりやすくなる数値に設定してある。 BMIの基準が22の理由は、病気や早死の確率が少ないからである。もしBMIが基準値を大きく上回ったとしたら、いろいろな病気を引き起こすと言われている。糖尿病が代表的な病気である。また、BMIが大きく下回った場合、骨・歯などのカルシウム不足による体の弱化、筋肉低下、貧血などを引き起こしてしまう。BMIを上回っても下回っても死亡確率は基準の人よりも高くなるのである。