茶道辞典


【青貝盆】(あおがいぼん)
 漆器の地肌に貝殻をはめ込んで模様を描き出し、装飾をしている盆。


【有平糖】(あるへいとう)
 砂糖を煮詰め、餅の様に固めて、水や結び・花・果実の形を模したもの。

【金平糖】 (こんぺいとう)
 溶かした氷砂糖を、小麦粉・芥子などを核にして、星状に固めたもの。

【落雁】 (らくがん)
 米・麦・大豆などの粉に砂糖・飴を加えて打ち出した型物菓子。

【青貝盆】 (あおがいぼん)
 漆器の地肌に貝殻をはめ込んで模様を描き出し、装飾をしている盆。

【有平糖】 (あるへいとう)
 砂糖を煮詰め、飴の様に固めて、水や結び・花・果実の形を模したもの。

【一文字蓋】 (いちもんじぶた)
 茶入・水指・釜等の、表面が平らで一直線な蓋。

【一閑張】 (いっかんばり)
 漆工芸品の一種。木地に蕨糊で和紙を張ったものを素地として、上に漆を塗って仕上げたもの。飛来一閑(ひさいっかん)が創始したと伝えられる。

【薄茶】 (うすちゃ)
 抹茶を薄く点てること。また、そのための抹茶

【薄茶器】 (うすちゃき)
 薄茶を入れる容器の総称。薄器とも言う。中次など。詳しくは…。

【大寄せ】 (おおよせ)
 広い場所に、大人数の客を招いて催す茶会のこと。

【主菓子】 (おもがし)
 甘味の充分な、量感のある和菓子。

【懐紙】 (かいし)
 懐中紙。茶席で、客が常に懐中する紙。

【懐石用具】 (かいせきようぐ)
 本来、禅家の懐石で使用される道具。膳・飯椀・汁椀・煮物椀・小吸物椀・飯器・杓子・湯次・湯の子すくい・通い盆・脇引き・向付・鉢類・八寸・酒器を一揃いとする。

【替蓋】 (かえぶた)
 釜や水指などの器物の蓋で、本体と異なる材質で出来ているものを言う。本来の主となる蓋以外に作られた別の蓋。釜ならば唐銅蓋、陶磁の水指ならば木地・漆塗り。共蓋に対して使われる語。

【掛け物】 (かけもの)
 裂や紙で表装して、床の間に掛けるようにした書画。軸・幅(ふく)とも言う。茶道具の取り合わせのうえで、中心となる。

【菓子椀】 (かしわん)
 朱塗縁金のやや低目の蓋付椀。最も正式な菓子器。

【肩衝】 (かたつき)
 肩が衝き出てすぐ下に下がる形の茶入。茄子に次ぐ格。最も一般的な茶入の形。

【蕪形】 (かぶらがた)
 蕪のように膨らんだ形。蕪とは野菜のカブのこと。

【唐物】 (からもの)
 中国(宋・元・明代)渡来の器具・工芸品。

【唐物茶入】 (からものちゃいれ)
 中国(宋・元代)産の陶製の小壷を、日本で茶入に用いたのものを言う。

【金団】 (きんとん)
 餡玉の外部に裏漉しした餡を着せたもの。外部を包む餡の種類と色の配色によって、いろいろの銘が用いられる。

【口造り】 (くちづくり)
 茶入・釜・茶碗などの口の辺りの総称。

【国焼】 (くにやき)
 元々は、尾張瀬戸で焼かれたものを本窯とし、それ以外の日本各地で焼かれたもの(但し、京都の窯は含まない)を指す、和物茶入の分類用語。現在は他の陶磁器にも使用される。

【濃茶】 (こいちゃ)
 抹茶を濃く点てること。また、そのための抹茶

【江岑夏書】 (こうしんなつがき)
 表千家四代江岑宗左の覚書。父宗旦の利休茶の湯に関する談話を主に記した書。

【碁笥底】 (ごけぞこ)
 器物の底部を削り込んで上げ底にして、畳付を曲面にした形状。

【甑】 (こしき)
 茶入の部分の名称。口造りと肩との間の立上がり部分を指す。

【古瀬戸】 (こせと)
 瀬戸焼のうち、古瀬戸釉(鉄質黒釉)を施したもの。近来は、桃山時代以前の瀬戸陶器を指す。

【小壷】 (こつぼ)
 茶入のうち、茄子文琳丸壷瓢箪等を、大海肩衝と区別して小壷と呼ぶ。茶葉壷の大壷に対して、抹茶壷を小壷と言う。

【独楽盆】 (こまぼん)
 木地に色漆で環状の模様を表した丸盆。

【古袱紗】 (こぶくさ)
 袱紗の一種。茶器の拝見の際などに用いる、使い袱紗の四分の一程の大きさの袱紗。小袱紗とも書く。

【金平糖】 (こんぺいとう)
 溶かした氷砂糖を、小麦粉・芥子などを核にして、星状に固めたもの。

【食籠】 (じきろう)
 漆器を主とし、陶磁器・籠地で作られた蓋物の菓子器。懐石用具にも使用される。

【仕覆】 (しふく)
 茶入・薄茶器・茶碗・挽家などの道具類を収める袋。仕服とも書く。名物裂・古代裂が多く使用される。茶入によっては、名物裂の替え袋を数枚持つものもある。

【真・行・草】 (しん・ぎょう・そう)
 元々は書道における漢字書体の真書・行書・草書の総称で、広く芸能・美術に転用されて用いられる理念。真は端正な楷書で正格、草は型にとらわれず自由に崩した風雅な形、行はその中間を示す。

【真塗】 (しんぬり)
 木地に麻布か和紙を着せ、下地を施し、中塗り、上塗りの順で仕上げる漆塗技法。黒・朱の他に各色がある。堅地塗・本塗とも言う。

【摺漆】 (すりうるし)
 漆芸技法の一種。木地の吸い込みを止め、素地に生漆を綿・布切れ・刷毛などで摺り込んだもの。極薄い飴色の漆膜を通して、木地の美しさがあらわれる。拭漆とも言う。

【盛阿弥】 (せいあみ)
 桃山時代の漆工。利休の塗師。秀吉から天下一の称を受けたと伝えられる。

【盛阿弥棗】 (せいあみなつめ)
 厚手の木地に茶褐色に透ける漆を使用した、盛阿弥作の棗。

【扇子】 (せんす)
 一般のものより小型の、茶道用の扇子。客として茶席に入る際、必ず携帯する。

【宗旦四天王】 (そうたんしてんのう)
 千宗旦の門人を代表する四人の茶人。山田宗遍・藤村庸軒・杉木普斎の三人に、三宅亡羊・久須美疎安・松尾宗二の中の一人を入れる。

【大海】 (たいかい)
 大ぶりで口が広く、が低い平丸形の茶入。

【台子】 (だいす)
 臨済宗の僧南浦紹明が宋より帰朝した際に持ち帰ったと伝えられる棚で、これを工夫して考案された点茶法も指す。

【高杯】 (たかつき)
 脚付きの杯・盤・折敷の類。

【高取焼】 (たかとりやき)
 福岡県直方市南部の鷹取山西麓の窯で焼成された陶器。

【畳付】 (たたみつき)
 茶入などの、器物の底の畳に接触する部分。平底がほとんどだが、碁笥底や面取もある。盆付・板付とも言う。

【溜塗】 (ためぬり)
 漆塗の一種。下地に朱や弁柄(鉄丹)の漆を塗り、その上に透漆を塗って仕上げたもの。半透明の美しさがある。

【茶入】 (ちゃいれ)
 濃茶を入れて点前に用いる陶製の小壷。通常、象牙の蓋をし、仕覆を着せて用いられる。

【茶会】 (ちゃかい)
 客を招き、作法にのっとり点茶し、会茶を楽しむこと。また、それを行う場。元々は茶事と同義。多くの場合、薄茶または濃茶一服。最近は、大寄せ形式のものを指すことが多い。

【茶杓】 (ちゃしゃく)
 抹茶をすくう匙のこと。詳しくは…。

【茶事】 (ちゃじ)
 初座・後座に分ける正式な茶会。

【茶壷】 (ちゃつぼ)
 碾茶を貯蔵するための壷。元々は茶を入れる壷の総称だったが、抹茶の容器を茶入と称するようになり、茶葉を貯える容器の名称となった。

【使い袱紗】 (つかいぶくさ)
 点前に使用する袱紗。通常、袱紗と言えばこれを指す。

【碾茶】 (てんちゃ)
 茶の葉を蒸した後、揉まずに乾燥させたもの。

【止節】 (とめぶし)
 竹茶杓の一種。切止に節のあるもの。行の茶杓。元節とも言う。

【共蓋】 (ともぶた)
 釜や水指などの器物の蓋で、本体と同一の材質で出来ているものを言う。本体と一緒に作られた本来の蓋の意。替蓋に対して使われる語。

【中次】 (なかつぎ)
 元々肩衝系の茶入の挽家を転用して薄茶器としたもの。中次というのは、円筒形の胴の中央部に合わせ目があることに由来する名称。 詳しくは…。

【棗】 (なつめ)
 薄茶器の代表的な形。クロウメモドキ科の植物のナツメの実に形が似ている事に由来する名称。元々は小壷系茶入の挽家を転用して薄茶器としたもの。 詳しくは…。

【茄子】 (なす)
 丸形のやや下膨れの茶入。茄子の形に似ていることに由来する名称。唐物茶入の最上位とされる形。

【塗師】 (ぬし)
 漆細工・漆器製造を業とする人。

【練切】 (ねりきり)
 白餡に求肥をつなぎとして入れて、練り上げたもの。

【根来塗】 (ねごろぬり)
 漆芸技法の一種。鎌倉時代、紀伊国(和歌山県)根来寺で僧侶達が自ら製作した仏具や日用食器。檜木地の上に黒漆を数回塗り、仕上げに朱漆を上塗りしたもの。使用するうちに朱漆が剥げ、下の黒漆が現れ、斑になったものが多い。

【干菓子】 (ひがし)
 乾いた菓子、惣菓子のこと。生菓子に対していう。

【挽溜】 (ひきだめ)
 挽茶を貯蔵しておく器。古くは大海茶入を用いた。

【挽家】 (ひきや)
 茶入を収めておく木の箱。轆轤(ろくろ)で挽いた木の家(いれもの)の意。

【一重口】 (ひとえぐち)
 器物の口造りの形状の一種。切り立てのままの口造りを言う。

【瓢箪】 (ひょうたん)
 瓢箪の形の茶入。

【拭漆】 (ふきうるし)
 漆芸技法の一種。木地の吸い込みを止め、素地に生漆を綿・布切れ・刷毛などで摺り込んだもの。極薄い飴色の漆膜を通して、木地の美しさがあらわれる。摺漆とも言う。

【袱紗】 (ふくさ)
 点前中に茶道具を拭い清めたり、道具拝見の際に下に敷くのに用いる布。帛紗・服紗・服茶・幅紗とも書く。紹鴎時代から存在したが、現在の形状は利休の妻宗恩の考案と言われる。

【袱紗挟み】 (ふくさばさみ)
 袱紗・古袱紗懐紙・菓子切り・扇子などを携帯するための入れ物。

【縁高】 (ふちだか)
 折敷の縁を高くした形で、五つ重ねにして総蓋が添うもの。正しくは縁高重と言う。

【振出し】 (ふりだし)
 茶箱用の小型の菓子器。金平糖のような小粒の菓子を入れ、振り出して用いる。

【文琳】 (ぶんりん)
 丸形の茶入。林檎の形に似ていることに由来する名称。文琳は林檎の異名。唐物茶入の代表的な形。

【待合】 (まちあい)
 茶事・茶会で、茶席に入る前に連客と待ち合わせたり、席に入る準備をしたりする所。

【抹茶】 (まっちゃ)
 碾茶の軸を除き、葉片を茶臼で挽いた粉末。

【丸壷】 (まるつぼ)
 が高く、胴がやや平たい蕪形の茶入。唐物茶入の形だが、古瀬戸高取などの和物にも見られる。

【名物裂】 (めいぶつぎれ)
 掛け物の表装・茶入の仕覆古袱紗として、特別の名のある、或いは特に珍重されてきた裂類を言う。

【銘々盆】 (めいめいぼん)
 各人一器で料理、または主菓子を盛り、客にすすめる盆。

【元節】 (もとぶし)
 竹茶杓の一種。下端へ竹の節を残す形。行の茶杓。止節とも言う。

【盛込鉢】 (もりこみばち)
 一つの鉢に二、三種類の料理、または主菓子を客の人数分盛り合わせ、すすめる鉢。

【楊枝】 (ようじ)
 菓子に添えて使用する黒文字の楊枝。

【葦簾】 (よしず)
 アシ(イネ科の多年生植物)の茎で作った簾(すだれ)。ヨシはアシの別名。

【落雁】 (らくがん)
 米・麦・大豆などの粉に砂糖・飴を加えて打ち出した型物菓子。

【利休七哲】 (りきゅうしちてつ)
 千利休の高弟七人を指す呼称。『江岑夏書』には、「利休弟子衆七人衆」と言い、蒲生氏郷高山右近細川三斎芝山監物瀬田掃部牧村兵部古田織部を挙げる。

【立礼】 (りゅうれい)
 椅子・テーブルを用いての点前。台子を根本とし、風炉の運び、薄茶点前を基本とする