金時草に守られた娘

 むかしむかし、朝日村にたいそう美しい娘がいた。

 その噂を聞いた近くの金持ちや大地主たちが「自分の嫁にほしい」と言ってきたが、娘は決して首をたてにふらなかった。

 ある日のこと、娘の家の門に二尺ほどの大きな手形のついた手紙がはられていた。

 「娘をわしの嫁によこせ、さもないと田んぼをめちゃめちゃにするぞ」

 それは高尾の山に住む鬼だった。

 おどろいた娘はなげきかなしんだ。

 村の人々もかわいそうに思ったがどうしてやることもできなかった。

 「大事な娘を鬼なんかにやれない」

 娘のおとうとおかあは医王の山に住む行者に娘を助けてくれるよう頼みにいった。

 行者はふところから何かの種をだして、おとうに渡して言った。

 「これは肥後の国からきた水前寺菜という草の種だ。これを家の周りにまくがいい」

 おとうは「こんな草の種何の役に立つ」と道ばたに捨てようとしたが、おかあは必死にとどめて「行者様の言う事じゃ。何かお考えがあるに違いない」と家の周りにその種をまいた。

 そのよるのこと、ずしんずしんというものすごい足音とともに「むすめはどこだ。よめにもらいにきたぞ」と雷のような声がとどろいた。

 高尾の鬼が娘をつれにやってきたのだ。

 村人たちはおそろしくて雨戸をしめ、家の中でぶるぶるふるえておった。

 むすめも、おとうも、おかあも、やっぱりぶるぶるふるえていた。

 すると、なんということだろう。行者様にもらった草の種が芽を出し、みるみるうちに大きくなって家のまわりをかこんだんだ。

 「な、なんだこの草は。」 鬼はおどろいたが

 「たかが草じゃないか、けちらしてやる」と娘の家に近づいていった。

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